脳卒中後上肢麻痺に対する迷走神経刺激とリハビリテーションの併用療法
上記研究がLancetに掲載されています。
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)00475-X/fulltext
2018名を対象としたRCTであり、vagus nerve stimulation (VNS group)とコントロール群に割り付けて治療を実施。上肢FMA値はVNS群で5·0(SD 4·4)、コントロールで2·4(3·8)、 (群間差2·6, 95% CI 1·0–4·2, p=0·0014)との結果です。
すごいところはコントロール群に対してもVNS機器の埋め込みをしているところ。
VNSとリハビリ併用では、リハ単独と比べて、皮質脊髄路のシナプス結合が3倍となるという基礎的研究も背景にあるようです(PMID: 29371435)。
機器埋め込み手術が必要となる点がハードルですね。
VNS群でのFMAの改善は5点ですが、他のニューロリハ治療と比較するとそれほど高くない感じもします。今後普及するかどうかは他の治療との優位性が侵襲性を超えるかどうかがkeyでしょうか。
今更ですがはじめまして、とあるphysiatrist(リハ科医師)です。こんな感じで論文紹介をしていこうと思います。宜しくおねがいします。